ヘルパンギーナの基礎知識
2017年04月24日更新 2017年04月25日公開

ヘルパンギーナとは

夏に流行することが多いウイルス性の感染症ヘルパンギーナは、乳幼児がかかりやすい夏かぜのひとつとして知られています。ヘルパンギーナの症状や予防の仕方について、ドクター監修の記事で解説します。

ヘルパンギーナにかかる患者の90パーセント以上が5歳以下の子供とされています。もっとも発症が多いのは1歳代で、次に2歳代です。続いて3、4、5歳代と1歳未満という順です。

ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナは、「エンテロウイルス」に感染することで発症するといわれている急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)です。38度以上の高熱が出て、口の中に水疱疹ができることがあります。口蓋垂(のどちんこ)の周囲にできた水泡疹は痛みをともない、場合によっては口の中全体まで広がることがあります。日本国内での流行は、毎年5月あたりから増加し、6月と7月がピークとされています。

ヘルパンギーナの主な患者は乳幼児か赤ちゃんのため、本人がうまく症状を伝えられないことが多いため、保護者側がしっかりと病状を観察することが大切です。乳幼児や赤ちゃんの場合は、機嫌が悪くなって水分を飲むのを嫌がる、よだれが普段より多くなるなどの症状が特徴と言えるでしょう。

ただ、溶連菌やインフルエンザと違って、迅速検査などでヘルパンギーナだと確定できる検査は現状ないといわれています。したがって、ヘルパンギーナか否かを判断するドクターの診断は、その年の流行状況や患者の年齢など参考にして行われることが多いです。

ヘルパンギーナの症状

エンテロウイルスに感染してから、ヘルパンギーナを発症するまでには、2日から4日ほどの潜伏期間があるといわれています。その後、38度から40度に達する発熱が出る場合もあり、この高熱は3日以内に治まることが多いようです。ただ、熱性のけいれんを起こすおそれがあるため、注意して見守りましょう。

続いて、口蓋垂の周囲や口の中全体に水疱疹ができて、粘膜が赤くなる場合があります。これらの症状は、発熱より少し遅れて現れるのが特徴といわれています。痛みをともなう水疱疹ができた場合には、徐々にただれるのでつばを飲み込むのも痛がることが多いようです。そのため、乳幼児や赤ちゃんのよだれが多くなるのは、飲み込む行為が痛いからだと考えられます。適切な対応をすれば、発症から1週間ほどで痛みが和らいで、食事もできるようになるでしょう。

もし、嘔吐や頭痛などヘルパンギーナの典型ではない症状がある場合、少ないケースですが、無菌性髄膜炎や心筋炎を合併している可能性が考えられます。すみやかに医療機関を再受診することをおすすめします。

ヘルパンギーナの原因

ヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスには、さまざまな種類が存在しています。一度感染したウイルスには免疫ができますが、種類が多いため、違うウイルスに感染するとまたヘルパンギーナにかかってしまうことがあります。エンテロウイルスは5種類にグループ分けされており、この中の「コクサッキーウイルスA群」が、ヘルパンギーナを起こす原因になることが多いようです。

感染するのは、その多くが糞口感染(手などに付着した便からの感染)だと考えられています。腸管で増殖したエンテロウイルスは、糞便として排泄され、すぐには死滅しません。空気感染はしませんが、くしゃみなどの飛沫感染やウイルスのついた物や皮膚の接触感染により、人から人へと広がっていくおそれがあります。保育園などの集団生活では、子供たち自身の手洗いだけではなく、オムツ替えをする大人側にも注意が必要です。

ヘルパンギーナの症状が出てから2、3日で、鼻腔内の分泌物による周囲への感染率は弱くなりますが、本人の便からエンテロウイルスが排泄される期間は、1か月にもおよぶといわれています。

ヘルパンギーナの治療

エンテロウイルスに効くとされるワクチンや薬は、現在はまだないといわれています。したがって、発熱や口内炎への対症療法が、ヘルパンギーナの代表的な治療法と言えます。また、熱がひどいときは、解熱鎮痛剤を処方されることもあります。口から飲み物を飲めないほどの脱水状態なら、水分補給のために点滴を行います。

患者のほとんどが乳幼児なので、いかに脱水状態にさせないかが保護者にとっては大切なポイントです。というのも、口内炎の痛みから飲食を嫌がることが多いとされているからです。口の中の水泡疹にしみにくい飲み物として、牛乳がおすすめです。他にも、のどごしのよいゼリーや、塩気を控えめにした麺類などを食べさせましょう。逆に、柑橘系のジュースなどは避けましょう。目安としては、排尿回数が一日5回以上で、無色から黄色の尿なら、脱水の心配はないといわれています。

ヘルパンギーナの予防

ヘルパンギーナにかかった患者本人の高熱や口内炎などの症状は、ほぼ1週間でよくなるとされていますが、ウイルスが体内に滞在している期間は長いため、症状がなくなれば感染しないというわけではないようです。ヘルパンギーナが流行する時期の保育園などは、どの子供にも感染する、あるいは感染させる可能性があると考えられます。

ヘルパンギーナの予防には、大人も子供も同様に、手洗いの徹底が大切です。とくに、食事の前と排泄後がポイントです。また、発症の90パーセントは子供ですが、大人はヘルパンギーナにならないというわけではありません。大人がヘルパンギーナにかかると、より重症化するともいわれていますので注意してください。

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